身の回りで感じる「なぜだろう?」を大切に!
通信制 一ツ葉高校 千葉キャンパス
村島です。
園芸初心者の私ですが,狭いながらも庭で鉢植えのバラをいくつか育てています。
バラを育て始めて3年になりますが,今年はバラに一か月ごとに肥料や殺虫剤をやっていました。
しかし,肥料や殺虫剤の一回量が多かったのか頻度が多かったのか,実際のところ何が原因だったかはっきりとは言えませんが,花や葉に異常が出てしまいました。
中学校の理科で習いましたが,通常,被子植物の花は外側から,がく片,花びら,おしべ,めしべという4つの部分からできています。
ですが私が育てたバラの花の一つは,めしべとおしべがなく,がく片が内側にもできていました。
写真にも載せましたがこれを発見したとき,バラには可哀想なことをしてしまったと反省しつつも,とても面白いと感じてしまいました。
どうしてかと言うと,「生物」の教科書に出てくる花形成のメカニズムの「ABCモデル」というものがあるのですが,それを実際に確認することができたからです。
「ABCモデル」とは,花形成の際に特に重要なA, B, Cの3つの遺伝子があり,はたらく遺伝子の組み合わせによって花のどの部分がつくられるのかが決まるというものです。
A遺伝子がはたらいていないと,めしべとおしべだけになります。B遺伝子がはたらいていないと,がく片とめしべだけになります。
そして,C遺伝子がはたらいていないと,おしべとめしべがなく,がく片と花びらだけでできた花になることが研究により分かっています。
つまり,私はC遺伝子のはたらいていないバラを育ててしまったということです。実際に目にすることができるとは思っていなかったので,衝撃的でした。
高校「生物」は興味が持てないという人もいるかもしれません。
ですが,気づいていないだけで,日常生活において「生物」の教科書で学んだことを体験することはたくさんあります。
これは「生物」に限らずですが,身の回りで感じた「なぜだろう?」という疑問があったときは,是非,調べてみてください。そうした得た知識は忘れないものです。
その後,肥料と殺虫剤をしばらくやらずに育てると,5月には完全な花をたくさん咲かせてくれたので,やはり何かしらの関係はあったのだと思っています。
バラが美しい時期はほんの二週間程度で短いですが,来年も素晴らしいバラを咲かせるために手入れを頑張ろうと思います。