核のない世界を目指して(その2)
通信制 一ツ葉高校 千葉キャンパスの矢島です。
先日お亡くなりになられた、漫画家の中沢啓治さんが、
「はだしのゲン」という作品を描かれています。
この作品では、広島に原爆が投下された人々の姿を通し、
戦争の悲惨さ、核兵器の恐ろしさを訴えています。
中沢さんご自身も、原爆の被害にあわれ、長年その後遺症と戦われてきました。
戦争が終わってもなお、核兵器の製造や実験は続けられていました。
そんな折の1954年、日本の漁船である「第五福竜丸」が、
ハワイのビキニ環礁沖で漁を行っていたところ、
突如、眩しい光と爆発の衝撃に襲われたのです。
「第五福竜丸」が漁をしていた日、アメリカ軍は海上で水爆実験を行っていました。
水爆は、原爆よりもさらに強力な核兵器です。
当初「第五福竜丸」は、水爆実験の威力を受けない、
安全な区域であるとされていた場所で漁を行っていました。
しかし水爆は、実験前の想定をはるかに上回る威力で爆発しました。
結果的に、安全区域であった場所も、水爆の被爆地帯になってしまったのです。
「第五福竜丸」の乗組員23名は全員が被爆し、うち1人は死亡しました。
日本では、これを「第五福竜丸事件」と呼んでいますが、この船だけでなく、
当時危険水域にいた船はすべて被爆し、被爆した人数は2万人にのぼるといわれています。
(その3へつづく)
通信制 一ツ葉高校 千葉キャンパス 矢島