故郷
通信制 一ツ葉高校 代々木キャンパスの浜田です。
静かな代々木キャンパス。
多くの先生方が会議に出られ受験コースの授業だけのお留守番モードです。
私も先週は故郷の鹿児島に帰っておりました。
ちょうど、現代文の問題演習で太宰治の『故郷』を読んでいたところだったので、
主人公の気持ちがある部分、自分と重なってくるところが。
太宰治ほどの失敗をやらかしていないにしても、両親、親戚や幼なじみの同級生と、
顔を合わせるのは複雑な気持ちになりますね。
未だ成長できていない現在と過去の自分とが、
自分の中でも相手の中でも絡み合っていて整理できない時があります。
こんなに遠路はるばる旅をして子ども扱いされにきたのか・・・と思いながらも、
変わらず自分のことを想ってくれている家族に感謝してもしつくせない・・・
と改めて感じます。
太宰治は作家として成功しているので、
そこと比べるのはおかしなことかもしれませんが、
やはり家族との関係は誰にとっても一番難しい課題です。
学校では習わない難問です。
そんなに入り込んでいた私ですが、
生徒からは「主人公の気持ちにそこまで共感できません。」と。
試験問題の小説では、文中の人物の心情を察することが求められますし、
大人として立場や境遇の異なる相手の感情を読み取ることができるかが問われます。
もちろん小説を読むことは楽しみでもあります。
そして、人との関係に悩んだときにも、自分と同じ立場の登場人物、
それとは正反対の登場人物が相談相手になってくれるかもしれません。
通信制 一ツ葉高校 代々木キャンパス 浜田