あめゆじゆとてちてけんじや
通信制 一ツ葉高校 代々木キャンパス の丑谷です。
現代文のレポートで、宮澤賢治「永訣の朝」が扱われています。
私は指導する立場ではありませんが、機会があり、
改めて読み直してみました。
高校時代以来、随分時間が経ってしまいました。
すると、情けないことに、冒頭から一気にうるうる。
「あめゆじゆとてちてけんじや」が、こんなに切ないとは。
生徒たちが目の前にいるのに、止めることができず、
「先生、感情移入しすぎでしょ。」と笑われてしまいました。
高校時代も、「悲しい詩だな。」くらいの感慨はありましたが、
これほどの共鳴はありませんでした。
時を経て、自分の立場が変わると、同じ素材でも、感じるものが変わってくる。
ひらがなの多い、白っぽい詩の行間をありありと想像し、
まるでその場面に居合わせているかのような錯覚に陥る。
こういうことが起こるなんて、高校時代は考えたこともありませんでした。
過去からのつながりで、このような経験をするということは、
現在から未来へのつながりでも、同様のことがあり得るでしょう。
いま、何気なく読んだり、聞いたり、体験したり、感じたりしていることが、
そこだけで終わらずに、将来への何らかの糧になるかもしれない。
そう考えると、いまの自分の感覚を大切にしたい、と改めて思います。
通信制 一ツ葉高校 代々木キャンパス 丑谷