「話し上手は聞き上手」
通信制 一ツ葉高校 千葉キャンパスの宮本です。
つい最近、かつての教え子から相談を受けました。
彼は、動物の命を救う仕事をしています。
日々、彼が向き合っている命の中には、手術や長期入院が必要な動物たちも含まれますが、
人と違って窓口で保険が適用されません。
つまり、何かの傷病保険に入っていなければ、全てが飼い主の負担になってしまうわけです。
そうなると出てくるのが、「命」と「お金」の問題です。
重篤な症状の場合、その動物を購入した時の何倍もの治療費がかかることも珍しくありません。
また、カメのような動物でない限り人間よりもはるかに寿命が短いために、
さらに飼い主は迷い悩んでしまうことも多いそうです。
そうして、最後に残された僅かな時間を飼い主とともに過ごして旅立つ動物たちもたくさんいます。
さて、彼の悩みはその手前の段階にありました。
飼い主さんが心の底から納得したような反応を示してくれることが少ない気がする、と言うのです。
かといって、飼い主さんからクレームが入っているわけでもないのです。
彼は常にベストな方法を考え、情熱を持って飼い主さんに説明しています。
しかし、どうもそのことで却って飼い主さんたちは戸惑いを覚えてしまっているようでした。
綺麗事ではない命の現場では、限られた条件の中でベストを尽くさなければなりません。
しかし、その(経済的)条件こそ多くの飼い主さんが言い出しにくい話題であり、
そここそ汲み取らなければならない核心部分です。
そこを汲み取る力を養う参考になればと思い、「キクこと」つまり「訊く(たずねる)こと」と
「聴く(心と耳を傾けて聞く)こと」の違いと大切さについて語り合いました。
10年以上ぶりの授業です。
この時、私はある科目を思い浮かべながら話していました。
そう「ソーシャルスキル」です。
他のどんな学校にもない科目です。
コミュニケーションを通じて相手も自分も大切にできる術を学べるのが「ソーシャルスキル」です。
今年度の授業もあと僅かとなりましたが、一時間一時間を大切にして有意義な高校生活を送りましょう。
通信制 一ツ葉高校 千葉キャンパス 宮本