18年前の1・17(その2)
通信制 一ツ葉高校 千葉キャンパスの矢島です。
ボランティア活動の中で、特に被災者の心を打ったのが、「おむすび」でした。
阪神・淡路大震災が起こった直後、最も深刻だった問題は「食料」でした。
交通網が壊滅的であった被災地。しかし、お腹を空かしている人々がそこにはいる。
そんな時、ボランティアの人々が、おむすびを握り、自転車や徒歩で被災地を回ったのです。
「一刻も早く、被災者に思いを届けたい!」
彼らが真心を込めたおむすびが被災者に届いた時には、まだぬくもりが残っていました。
誰が握ったのかはわからないけれど、おむすびのぬくもりからは、
人の心の温かささえ伝わってきたと、当時の被災者は語っています。
以来、この善意の心を留めたいという思いから、
1月17日が「おむすびの日」に制定されました。
おむすびは、人の手によって、米と米を結ぶことから、「おむすび」と呼ばれています。
しかし、それだけにとどまらず、おむすびは人の心と心を結びました。
子どもの頃、母親が遠足で握ってくれたおむすび。
ただ手で握っただけなのに、なんでこんなに美味しいのだろうと不思議だったことがありました。
しかし今になって、その答えがわかったような気がします。
毎年1月17日に、亡くなられた被災者を追悼するための行事が、神戸市で行われています。
「18年前の今日、何が起きたのか。」
阪神・淡路大震災は、3・11とともに、私たちが語り継いでいくべき出来事だと思います。
そして、被害状況や死者の数以上に、語り継がなくてはいけないものがあります。
それが、人の「真心」と「励まし」の温かさなのです。
通信制 一ツ葉高校 千葉キャンパス 矢島