日本史について~
こんにちは、大宮キャンパスの皿谷です。
最近いかがお過ごしでしょうか。
共通テストが終わり、ここから本腰の
受験生もいると思います。
自分は日本史を担当しているので、
日本史の共通テストを見ての感想を
ぼやいていこうかなと思います。
今年の共通テスト「日本史」も、
やはり史料の読み取りが多く、
解き終わるのにかなり時間がかかりましたね。
労力をものすごく使う試験であることには
変わりないですね(笑)
突然ですが、ここで今年の共通テスト
「日本史」に興味深い問題があったので、
それを一題紹介します。
こちら、
マユミさんとヨシミさんは、
永仁の徳政令の適用に関する史料2の事例をきっかけに、さらに中世社会の特色を調べた。その結果、実力を行使して問題を
解決しようとする事例があることがわかった。このような事例として最も適当なものを
次の①~④のうちから一つ選べ。
- ある御家人は、一族から所領の
流出問題を解決するために、
娘に譲った所領を一期分にしようとした。 - ある荘園領主は、地頭による
荘園侵略問題を解決するために、
下地中分の裁定を幕府に求めようとした。 - ある戦国大名は、隣国の大名との
境争いの問題を解決するために、
惣無事令を受け入れようとした。 - ある村の住人たちは、他村との
用水争いの問題を解決するために、
その村の用水の取り入れ口を破壊し、
自分たちの耕地に優先的に用水を
引こうとした。
皆さん、分かりましたか?
正解は④です。
この問題、実は知識で解くのではないんです。知識がなくても解けちゃうんです。
問題文の「実力を行使して問題を
解決しようとする事例」に注目!
つまり、問題文の趣旨に合致しているものを選ぶ問題なんです。
実力で何かを解決しているものに
合致している文は、④しかありません。
いやー、本番のあの緊張感、
限られた時間のなかで、
“しっかり問題文を読み“、
知識で解くのではなく、
「問題文の趣旨に合致しているもの」を
選ぶのだと見破れるか。
この力が試された感じですね。。
自分も実際に解いて、一瞬ミスりそうに
なりました。
単純な知識だけでなく、時代の時期を
把握できていないとできない問題や、
その物事の時代背景などから考察する問題、
また、上記の問題のように、与えられた
データ・事柄に合致する史実が何かを
問うといった問題もあり、
近年の日本史学習に求められていることは、単純な「暗記」ではなく、さまざまな資料やデータ、史実をもとに「自分で歴史を考える」という学習なのだと、その重要性を
改めて感じさせられる試験でした。
「歴史を学ぶ」のではなく、
「歴史に学ぶ」ということですね。
たとえば、奈良時代に「東大寺の大仏」が
造立されますが、
じゃあ、「そのときの天皇は誰」で、
「時期は何世紀のことか」や
東大寺など寺院建立は文化史の
区分でいうと「何文化」に属するのか、
また、「大仏造立にいたった背景は何が
あったのか」などなど、
一つの史実から、その周辺を理解していく
学習が必要だと思います。