小説を味わい尽くす
「小説を味わい尽くす」
こんにちは、立川キャンパスの宇野です
前のブログで、小説は余白を読むことが大切!
書いていることは正確に読まなければならないけれども、
書いていないことは自由に読み、想像し、共感し、味わうもの、
という話をしました。
そこで、今日はノーベル文学賞作家、大江健三郎の随筆『吟味された言葉』を題材に、
余白を読む実践をしました。
いつもは、もくもくとレポートに取り組んでいる皆さん。
唐突に、答えはありません!味わって下さい!そしてどう味わったか発表して下さい!
と言われ、かなり面食らった様子。
でも無茶ぶりにも負けず、皆さまおずおずとですが笑、
自らの味わった内容を発表してくれました。
その後、皆の意見を付箋にして集めて、「似てる意見がある、これは新しい視点」
と関係性を図式化してA3資料にまとめ上げました。
無茶ぶりーといいつつ、完成して良かった良かった!
どの意見にも間違いはなく、私も「なるほど」と思わされるものばかり。
45分の限られた時間でしたが、初めての試みにもめげず、
文章の余白を読み、しっかり作品を味わった経験は、
きっと何かの役に立つはず!
想像すること、相手の心に共感をしめすこと、
自分の心を適切な言葉で表すこと、
私たちが苦手になりつつもろもろを体得する術を、
小説はいつでも提供してくれているのですよ。
「脊髄で話す」
こんにちは、立川キャンパスの丑谷です。
S先生が、今朝、ご自身の舌禍人生を振り返る中で、
「お前は、脊髄で話している!」
と恩師に指摘されたことがあるとおっしゃっていました。
脊髄で話す!
ご存知のように、身体の反射においては、
感覚神経の刺激は脳まで到達せず、
脊髄から直接、運動神経へと伝わりますよね。
火傷をしそうな熱いものを触ったときなどに起こる反応です。
もし本当に、そのような経路で話しているとしたら!
私の脳内には、
中高で学んだ生物のテキストの、反射についてのイラストが浮かび、
「なんと簡潔でわかりやすく、且つ、面白い表現なのだろう!」
と感動すら覚えました。
実際は思慮深いS先生と違い、
私は、脊髄で話していなくとも、
「あと何周か脳内を循環させてから発言すればよかったのかも。」
と反省することが多々あります。
自分の言葉が、意図しない意味で伝わったときには、
「そんなつもりじゃなかったのに。」と、
悲しくなってしまいます。
その都度、フィードバックしていますが、
あまりにそういうことが続くと、
「黙っているのが一番ラクじゃん!」
という残念な結論に至ってしまうこともあります。
でもそれじゃ、本末転倒だよね。
「いつも美しい日本語を使っていればいい」というわけでもない。
人となりや思いやりが、まっすぐに伝わる言葉を使いたい。
我が国の言葉には、言霊が宿っているのですから。
通信制 一ツ葉高校 立川キャンパス