レポートのその先へ
通信制 一ツ葉高校 立川キャンパスです。
こんにちは、立川キャンパスの宇野です。
第二回レポートが早くも提出日を迎えておりますが、皆さんいかがお過ごしですか?
現代文のレポートでは、「ナイン」という小説を扱いました。
「ナイン=9」ということで、ある小学生野球団の話でしたね。
とっても強いチームでしたが、大人になるにつれてメンバーはばらばらの道を歩みます。
そして…。どうしたというのでしょう、捕手の正ちゃんは、投手の英夫をだまし、
英夫の店に大きな金銭的な損害を与えてしまいます。
さらにさらに、弱虫八番打者の常雄くんまでだまし、これまた金銭、
そして彼の奥さんまで奪ってしまいます。
ここまで読んで、生徒たちの感想は・・・
Z君:ありえない。お金なら許せるかもしれないけど、
奥さんの件は絶対許せない。
K君、H君:あきれて何も言えない。許せない。
ちなみにS先生の感想も「人として僕はあなたを許せないけどね!」とのこと。
S先生は野球を趣味にされていますので、正ちゃんへの怒りは並々ならぬ模様。
まぁ、ここまでのところ野球の経験の有無に関わらず、正ちゃんを怒る気持ちは最も。
しかし!!だまされた英夫も常雄も、正ちゃんを怒ったりしない!なぜ!?
それは、少年野球団の時、本当に本当に辛かった時、
彼はあることをして二人を助けていたから。
皆さんには、心の底から辛い時に助けてくれた人はいますか。
私は高校生の時、落ち込んだらいつもくだらない話をして、
強制的に笑顔にしてくれた、とっても愉快な友人がいます。
ほんの少しの冗談も、当時の私にはうれしかった。
だから、もし彼女に傷つけられるようなことがあったとしても、
私は彼女を信じるでしょう。だから英夫の気持ちがわかります。
確かに正ちゃんは大変ひどいことをしました。それは変わらない事実。
でも、良いこともしました。それも変わらない事実。
そのことを踏まえて、もう一度生徒に感想をきいてみました。
Z君、H君:それでも許せません。
K君:許せるかも・・・?
この「ナイン」という小説から皆さんはどんなことを感じるでしょうか。
・人の金銭や家族を奪うことは、信用を失墜させる。
・人は良い面も悪い面もある。だから悪い面ばかりに注目して、友情を終わらせてはいけない。
・誰かが辛い時に、ほんのちょっとのことでいい、助けてあげてみよう。
私はどんな感想でも正解だと思います。
大切なことは、小説を読んで、その世界を自分の世界に置き換え考えてみるということ。
これは現代文に限った話ではありません。
レポート提出はもちろん大切。
でも、提出をし終えたら「やれやれ」ではなく、何か一つでもいいので、
「自分の世界に置き換えて考える」という行動を起こしてみて下さい。
その方がずっと学びは豊かだし、楽しいですよ。
通信制 一ツ葉高校 立川キャンパス