ぼくらの分化全能性
「ぼくらの分化全能性」
こんにちは、立川キャンパスの橋本です。
先日、生徒の生物の本を見ていて、カッコいい用語を思い出しました。
予定運命図。
すわム〇案件か! と息巻いたそこのあなた。
それは早合点というもの。
予定運命図はアガスティアの葉の仲間ではありません。
(注意:アガスティアの葉とは、
宇宙すべての歴史=アカシックレコードが
記述されているとされる架空の書物です)
どことなくプロテスタントみがあるこの単語は、
実は動物の発生に関するものです。
動物が発生する初期段階では、胚と呼ばれる形態になるのですが、
あいまいな丸さしか持たないその胚状態でも
どの部分が体の何になるかをあらかじめ決められているというものです。
頭になる部分、足になる部分・・・
そんな初期から、身体のパーツが決定しているなんて不思議ですね。
全部決まっているなんて面白くない、という方もいらっしゃるかもしれません。
そんなあなたには植物がおすすめです。
植物の細胞にはある程度「分化全能性」というものがあり、
茎や葉から根を生やしたりすることが可能です。
すごいですよね。
スペシャリストかジェネラリストか。
どちらにも、それぞれの良さがあります。
植物の細胞はなんにでも分化できるがゆえに、
時々混乱してしまったりもします。
私たちの進路もいろいろありますね。
スペシャリストとして、誰にも負けない専門性を身につけるか。
ジェネラリストとして、コミュニケーションと受けの広さを重視するか。
大学の学部選択、専門学校の選択にもかかわってくる問題です。たとえば
特殊な資格を身につけるような学部であれば、スペシャリスト寄りでしょう。
悔いのない決断などというものは世の中にないかもしれませんが、
悔いはないと宣言することができる意志はあると思います。
人の足を止めるのは絶望ではなく諦め。
人の足を進めるのは希望ではなく意志。
昔、ARMSという漫画で読んだ言葉です。
悩んだときに、いつも自分の中で反芻します。
私たちの予定運命図は、私たちの意志によってのみ書かれます。
自分の意志以外何も、自分の進む先を最終的に決めることはできません。
アガスティアの葉を焼き捨てましょう。
実は、動物の細胞も分化全能性をもっているのです。
胚よりも前の段階では、かなりの部分フレキシブルに進路決定が可能です。
学生は、まだ分化前の段階。
数学の魅力にいまから目覚めるかもしれませんし、
急に世界史が面白くなって文転したくなるかもしれません。
進路を決めるなら、私たちスタッフがご相談に乗ることができます。
ぜひ、職員スペースに相談に来てください。
まってます!