上空1000mから降ってくる雨が痛くないのはなぜ?
こんにちは。立川キャンパスの津本です。
夏休みに入ってからも連日の猛暑が続いています。皆さん、お元気でお過ごしでしょうか。
カンカン照りで暑いなぁと思っていると、急に空が暗くなってきて大粒の雨が…!
ほどよく曇ってくれないかしらという私の願いもむなしく、カンカン照りor豪雨という究極の二択。
今日はそんな突然の豪雨のお話です。
豪雨は寒冷前線と呼ばれる寒気の強い場所で起こります。
こんなに暑いのに急に冷房のような涼しい風が吹いてきたら、大喜びで涼みたいところですが、残念ながらそんな時間はありません。
とにかく頑丈な建物に避難することをおすすめします。
涼しい風は強烈な寒気がすぐそこにいるということ。
豪雨が始まるサインです。
寒冷前線は狭い範囲で激しい雷雨を起こすので、普通なら雲の雨粒もあっという間になくなって短時間で終わります。
ただ最近よく聞く線状降水帯、これは雲の雨粒がなくなる前に別の雨雲が次から次へと同じ場所に発生するために激しい雷雨が延々と続く状況になります。
寒冷前線のもう一つ恐ろしいところは、たまにヒョウを降らせることです。
ヒョウが降ってくると、屋根が壊れたり、人間に当たるとケガをしてしまいます。
でもよく考えたら普通の雨だって、上空1000mから降ってくるのです。
どうして雨だと屋根は壊れず、人間もケガをしないのでしょうか。
上空から落ちてくる雨粒には重力と呼ばれる地球の引力がはたらいています。
もし雨粒にはたらく力が重力だけだったら、重力によって雨粒はグングン加速して落ちてくるので、地面に到達する時の雨粒の速さは秒速140mにもなります。
これは人間がケガをするレベルです。
でも実際にそうならないのは、空気の抵抗力があって雨粒のスピードアップを防いでくれるから。
空気抵抗のおかげで私たちに当たる弱めの雨粒は秒速2m程度になり、ケガをせずに済んでいるのです。
この最終的な速度は終端速度と呼ばれています。
そして物体が重いほど終端速度は速くなります。
大粒のかなり強い雨だと秒速6mのスピードに。そのまま当たると少し痛いです。
ヒョウが降ってくる時にも空気の抵抗力がはたらいているのですが、雨粒より明らかにヒョウの粒は大きく重いので、大粒のものだと終端速度は秒速140m=時速500キロもあるのです!
ヒョウが降ってきたら、とにかく急いで避難しましょう。
津本
3月生まれの私は、暑くも寒くもない季節が待ち遠しいです。