漢検ロード第11章「四字熟語の世界」(その1)
通信制 一ツ葉高校 代々木キャンパスの矢島です。
毎週水曜日・金曜日は「漢字検定講座」があります。
今日の授業では、「四字熟語」を中心に勉強しました。
千葉キャンパスのブログにも書きましたが、
漢数字の「一」が入る「四字熟語」は、見つかっているだけで188個あります。
しかし、この数字も正確なものかは定かではありません。
なぜなら、「四字熟語」は常に増え続けている可能性があるからです。
元からあった「四字熟語」がさらに派生して、別の「四字熟語」が生まれることもよくあります。
また、「衆参議決」や「震災復興」など、時事的な関係で誕生したものもあります。
さらに、誰かがどこかで造った四字熟語が世の中に出回って、
気がつくと流行しているケースもあるので、一概にいくつあるとはいえません。
これから、その代表的な人物を一人紹介しましょう。
四字熟語に限らず、数多くの熟語を自ら作成し、
また、それらを世に流行させた天才として名高いのが、
「我輩は猫である」「坊ちゃん」でも有名な、夏目漱石です。
彼は、自分が考えたオリジナルの熟語や表現を、さりげなく自分の小説に投下しました。
その中で、「則天去私」という四字熟語は、彼が生み出したものです。
これは夏目漱石が、晩年に自分の理想として掲げた言葉です。
漢文風に読み下すならば、「天に則り、私を去る」となります。
つまり、正しい道徳に従って、運命に逆らわないように生きる、ということです。
この言葉は、漱石の理想の生き方を物語るものとして、広く当時の世で流行しました。
(その2へつづく)
通信制 一ツ葉高校 代々木キャンパス 矢島