「どうだ明るくなったろう」
通信制 一ツ葉高校 千葉キャンパスの石野です。
昨日の日本史の授業の際に、1920年代から30年代にかけての経済について話をしました。
そこで第一次大戦の好景気の際に大もうけして、突然大金を手にした成金の話をするために、
教科書に載っている風刺画を見てもらいました。
場面は夜の料亭。お客さんが帰るときに灯りが消えてしまったのか、女中さんが困っています。
女中さん「暗くてお靴が分からないわ。」
紳士(手に持っている100円札を燃やして…)「どうだ明るくなったろう。」
日本史を勉強したことがある方は一度は見たことがあるはずの絵です。
成金がお金を湯水のごとく使っている状況を風刺しているわけですね。
そこである生徒が質問してきました。
「100円って今だとどれくらいの価値なの?」
私も大正時代の100円札が高額紙幣で、
少なくとも現在の100倍以上の価値はあったように記憶していたのですが、
あまり自信が持てなかったので、当時の物価を調べなおしてみました。
すると米10キロが2円弱だったようで、100円あれば当時だと500キロのお米が買えたわけです。
いま10キロのお米を買うと3000円~4000円程度でしょうから、20万円近い価値でしょうか。
大卒のサラリーマンの初任給は月給で50円程度。公務員はもう少し高かったようです。
100円の価値は2か月分のお給料と言えます。
当時の大学は現在と比べればはるかに狭き門ですから、単純に比較はできませんが
現在の初任給を仮に20万円とすると、40万円くらいの価値があったとも言えるわけです。
むかしの物価を現在の価値に換算するには、
もっと多くの物価を多面的に比較しないといけないのですが、
ひとまず何となくイメージをつかんでいただけたでしょうか。
あの成金さんは数十万円を惜しげもなく燃やし「どうだ明るくなったろう」と言ったわけです。
通信制 一ツ葉高校 千葉キャンパス 石野