美術館ツアーを終えて（２）

2016年2月1日

通信制 一ツ葉高校 千葉キャンパスの石野です。

そのぶん「誰でも知っているあの浮世絵！」というものはありませんでした。
彩色されていない墨摺りの版画や、そういった版画に絵師が色を塗ったものが中心。
色彩も赤や黄色など数色に限られたものが多く、
浮世絵初心者には少々とっつきにくい部分があったかもしれません。
かのゴッホが感動して何度も模写したような鮮やかな色合いの作品はごく一部です。

「美術にはあんまり興味ないんだけどなぁ…」

と、ぼやく生徒もいたので、少々不安もあったのですが、
学芸員さんのレクチャーを受けてから
実際に展示室に入ってみると、まず「つかみ」の作品に興味を抱く生徒が続出。
「すごくカラフルじゃない？」

冒頭に展示されていたのは「江戸名所遊楽図屏風」という1630年頃のお江戸を描いた
屏風絵です。歴史的に見ると、江戸はのちに「振り袖火事」として知られる
明暦の大火に見舞われて焼け野原となり、
多くの美術品が失われているので、たいへん希少価値が高い作品です。