千葉キャンパス ブログ

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  1. 福澤諭吉という男(その2)

    通信制 一ツ葉高校 千葉キャンパスの矢島です。

    福澤諭吉が、日本でお札になるほど有名になったのは、ある本がきっかけでした。
    それは『学問のすすめ』という本です。
    この本は、当時300万部のベストセラーになりました。
    300万部といっても、当時の人口(明治時代)が3000万人であったことから、
    約10人に1人が『学問のすすめ』を読んだことになります。
    今で言えば、1200万部の本が売れるほどすごいことなんです。
    では、この本には何が書かれているのでしょうか。
    まとめると、以下のようなことが書かれています。

    ―「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず」と言われている。
    (この言葉は、諭吉が留学したアメリカの独立宣言から引用したもののようです。)
    人は生まれながら貧乏や金持ち、身分の上下の差はない。
    けれども、今広くこの人間世界を見渡すと、
    賢い人、愚かな人、貧乏な人、金持ちの人、身分の高い人、身分の低い人がいる。

    その違いは何なのだろうか?それは簡単なことである。
    賢い人と愚かな人との違いは、学んでいるか、学んでいないかによってできるものなのだ。
    人は生まれながらにして差はないけれど、ただその後一生懸命に学問を修めて、
    物事をよく知ったものは、賢い人となり、豊かなとなるのである。
    逆に、学ばなかった者は貧しい人となり、身分の低い愚か者になってしまうのだ。―

    彼は留学をして、学問においても、文化においても、日本がいかに西洋から遅れを
    とっているか、ということに気づきました。
    そのため、彼は、人は生まれながらにして平等である(天賦人権論)といいながら、
    自分の将来のため、ひいては日本の未来のために学問を学び、一人の人間として
    自立することを、「学問の精神」「独立の精神」として訴えたのです。

    彼の西洋文化を取り入れ、古い日本の考えから脱却するような動きを「脱亜論」といいます。
    諭吉の『学問のすすめ』は、多くの人に影響を与え、近代日本の思想の柱となりました。
    私たちが、物質的に豊かな暮らしができるのも、諭吉のおかげだったのかもしれませんね。

    通信制 一ツ葉高校 千葉キャンパス 矢島

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