質量
通信制 一ツ葉高校 代々木キャンパスです。
「質量の基準が変わります」
こんにちは、羽鳥です。
今日は、日本の研究機関も参加している研究が、
「質量」の基準を変えるだろうというお話です。
皆さんは普段、物の重さを~kgと表現すると思います。
しかし、厳密にいうとこれは間違った表現です。
kgは重さの単位ではなく、質量の単位なのです。
普段使っている重さという言葉は、実際には重力という力の表現です。
地球に引っ張られている力は地球上の場所によってほんの少し異なりますが、
一定の基準を決めて計っているのが重量計や体重計などです。
重力を出すときに基準となるのが質量であり、重力加速度と呼ばれる値です。
場所によって地球に引かれる力が異なるのは、この重力加速度が異なるからです。
月に行くと軽くなるという話を聞いたことがあるかもしれませんが、
これは質量が変化したわけではなく、月の重力が地球に比べて小さいからです。
質量は、地球上でも宇宙でも変わらず、そのものが固有で持っている量です。
現在、この質量の基準を決めているのが、
キログラム原器という白金(プラチナ)製の文鎮のようなものです。
非常に正確に作られていますが、
物質なのでどうしても表面にゴミが付着しそれを洗浄しなければなりません。
そうすると、ごく微量ですが質量が変わってしまうため、精度の信頼性が長年の課題でした。
このキログラム原器の代わりとなる、新しい基準が採択されることになりそうです。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171025-00000033-mai-soci
日本の研究機関である産総研を含むいくつかのチームが、
プランク定数という高校物理でも出てくる定数を利用して、
正確な質量を導く方法を研究しました。
この研究では、ケイ素の結晶を使って原子間の距離などを測り、
プランク定数の制度を今までより飛躍的に上げることに成功しました。
来年の国際会議で正式に決まる予定ですが、
実生活には目に見えて影響がなかもしれません。
しかし、高い精度が必要とされる精密部品など、
様々な分野の目に見えない部分で役に立つだろうと思います。
来年以降が楽しみです、では。
通信制 一ツ葉高校 代々木キャンパス