セルバンデスという男(その2)
通信制 一ツ葉高校 千葉キャンパスの矢島です。
セルバンデスは近世スペインの作家で、あの有名な『ドン・キホーテ』の作者です。
『ドン・キホーテ』と聞くと、日本ではやはり、
「大きくて安くてなんでも売ってるお店」というイメージが強いように思います。
そもそも『ドン・キホーテ』というのは、小説の名前から来ています。
小説の主人公は、中世の騎士道物語を読みすぎたあまり、
頭がおかしくなってしまった老人です。
老人は古い甲冑と、ヨボヨボの馬を引き連れて、姫を探す旅へと出かけます。
旅の途中、老人は場末の宿泊所にたどり着き、そこで働くドレンソという女性と出会います。
彼女は気が強く、荒くれ者の男たちにも負けず働き、着ている服も身なりもボロボロでした。
しかし老人は、彼女を姫と思い込み、「ドルシネア」と呼んで彼女を思い慕うようになります。
これから先は読んでいただきたいのですが、当時、この本は爆発的にヒットしました。
当時の民衆は、騎士道物語のマンネリ化した作品ばかりにウンザリしていました。
そんな中、セルバンデスは騎士道物語をパロディに、この小説を書きます。
あまりにも馬鹿げていて滑稽な話に、当時の人々は腹がよじれるほど笑っていたそうです。
しまいには、『ドン・キホーテ』の続編を名乗るニセモノが出回ったほどです。
この熱狂的な人気の中で、セルバンデスは何を伝えたかったのでしょうか。
通信制 一ツ葉高校 千葉キャンパス 矢島