エントロピー増大の原則について
通信制 一ツ葉高校 小倉キャンパスの早尻です。
皆さん、こんにちは。
今日は、「エントロピー増大の法則」についてご紹介したいと思います。
エントロピーとは、「無秩序な状態の度合い」を数値で表すもので、無秩序な状態ほどエントロピーは高く、整然として秩序が保たれている状態ほどエントロピーは低いことになります。
全ての事物は、自然のままに放置しておくとエントロピーの低い状態から高い状態に変化していき、外から仕事(物理的な意味)を加えない限り、決して逆は起こらないとされています。
例えば、コップの水にインクを1滴落としたら、どんどん拡がって決して元に戻らないような一方向の変化を「非可逆過程」といいます。
又、皆さんの勉強部屋も何日も片付けずにいたら、どんどん散らかっていくでしょう。
何もせずに整理整頓されることはあり得ません。
人間が年をとったら、身体のあちこちに不具合が出てくるのも、エントロピーの法則に従っており、そういう意味で「老化」は自然の摂理です。
しかし、人間は外から食物を取り入れ、排泄をし、新陳代謝を繰り返すことで、エントロピー増大の法則に逆らって、エントロピーを抑えながら、成長しています。
とはいっても、エントロピー増大の法則に逆らい続ける事には限界があり、最終的には死を迎えます。
その昔、ナポレオンが、靴を履こうとすると靴が汚れていました。
召使に、「靴が汚れているぞ。」と言うと、召使が言いました。
「今日は雨ですので、どうせ汚れます。お帰りになられてから磨きます。」と。
ナポレオンは言いました。「そうか。ならば、お前は食事をするな。どうせ腹が減るのだから。」
私たちは、定期的に掃除をするし、ゴミ出しもします。
車だって走れば、又、汚れることがわかっていてもたまには磨きます。
これらはエントロピーを低くする行為であり、勉強することも脳の記憶を整理整頓するという意味では、エントロピーを低くする行為です。
前向きで、建設的な行為はほとんどの場合、エントロピーを低くします。
逆に、怒って物を壊したり、壁を叩く行為はエントロピーの増大を加速する行為です。
エントロピーに逆らって生きていくのは、大変ですね。
通信制 一ツ葉高校 小倉キャンパス 早尻