1000年経っても変わらないもの
こんにちは、立川キャンパスの宇野です。
このブログを書いている今、外はしとしと雨が降っております。
おまけにあんなに暖かかった空気はピリッと冷え込み、
朝起きて早々たんすの奥からヒートテッ〇を引っ張り出してきました。
冷たい雨、そして外に出てはならない自粛の日々…
古文教師の宇野は思い至りました。
これこそまさに「身を知る雨」と「物忌み」である、と。
古文には恋愛を描いた物語がたくさん存在します。
もちろん相思相愛ラブラブハッピーなストーリーもありますが、
多くは涙なしでは読むことができない、悲恋の物語たちです(笑)
古文の世界は現在とは違い一夫多妻制。そしてほとんどの夫婦が通い婚という形態をとります。
つまり、男性が複数いる奥さんの中からその日会いたい人を選んで通う、というスタイルがわりと一般的なのです。
旦那さんの猛烈なプロポーズに押されて結婚したのに、
「雨が降ったらあなたのところに行けないなぁ」なんていう悲しすぎる手紙が来た女性。
雨なんて言い訳で他の奥さんのところにきっと行ってしまうのだろう。
「愛されていない自分の身の程を知る雨を見て、私の涙は土砂降りです」
こんな感じで雨というのは古文の恋愛ストーリーにはなくてはならない、
グッとくるキーワードなのです(笑)。
そしてもう一つよく出てくるのが「物忌み(ものいみ)」
これは占いのようなものに従って外出を禁じて身を慎まなければならないことを言います。
つまり自粛です。
最近旦那さんが全く通ってくれない。
「物忌みだから通えないっていうハナシだったけど、とっくに物忌み解除されているのにやっぱり通ってこないんですが…。どういうこと?」
こんな感じで物忌みも古文にとってはなくてはならないワードですね!
「古文」と聞くと不可解で退屈な世界のように感じる方も多いかと思います。
たしかに一夫多妻制なんて現代では想像できないし、「物忌み」という風習も一般的には残っていません。
しかし、夫を待つ奥さんの気持ち。奥さんに言い訳する夫の気持ち。
これは理解できます。
人が人を愛したり、自然に感動したり、人生の短さを嘆いたり、失敗して落ち込んだり、褒められて喜んだり、人の感情は1000年経っても変わらないものなのです。
私は古文の授業を通じて、まずは受験で使える知識をお伝えしたいと思っています。
けれどもそれだけでは時に嫌々な勉強になってしまう。。
受験を意識しながらも古文の世界観を十分楽しめる授業でありたい。
いつもそんな思いを込めて授業をしております。
一ツ葉高校は少人数制の進学授業を多種多様に展開しております。
一回一回の大切な授業。
受験に使える知識はもちろんのこと、生徒の皆さんの日々の生活を豊かにするような気付きに満ち溢れた授業となるように、日々創意工夫をしております。
明日はどんな話をしようかな。
考え始めるときりがない、そんな毎日で自粛期間中も脳みそフル回転です!