立川キャンパス ブログ

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  1. 遊園地の物理学

    こんにちは。立川キャンパスの津本です。

    今年は久しぶりに行動制限のない春休み、
    ポカポカと暖かい日も多いので
    遊園地に行って
    楽しく過ごした方もいることでしょう。

    さて、遊園地といえば
    ジェットコースター
    猛スピードで駆け抜けていくので、
    これを動かすのに
    大量の電力が消費されている
    と思うかもしれませんが、
    実はそうでもないのです。

    自動車などと違って、
    ジェットコースターの車両そのものには、
    これを動かすエンジンがついていません。
    ジェットコースターに乗ると、
    まずはゆっくりと最高点まで移動していき、

    私たちのハラハラドキドキも
    最高点に向かいます。

    このときは
    レール側にとりつけられた装置が
    車両をゆっくり移動させていきます。
    ゆっくり動いているのは
    私たちのスリルをあおるためだけでなく、
    ゆっくり動かせば、
    速く動かすのに比べて消費電力が
    ほんの少しで済むからなんです。
    一石二鳥ですね。

    そしてジェットコースターが
    電力に頼るのは、

    実はこの時だけ。

    物体は高い位置にあればあるほど、
    それだけで物体にたくさんの
    エネルギ―が蓄えられます。

    これを位置エネルギーといいます。

    最高点に到達したジェットコースターは、
    蓄えられた位置エネルギーも最高の状態です。
    後はこのエネルギーと物体が
    坂道を自由落下する性質を使って、
    電力に頼ることなくジェットコースターは
    駆け抜けていくのです。
    下るときには、
    ものすごく急な滑り台を
    滑り降りていくイメージ。
    高いところから低いところに移動すると
    位置エネルギーは減ってしまいますが、
    このエネルギーの減少分はなくなってしまった
    わけではありません。
    位置エネルギーから運動エネルギー
    呼ばれるエネルギーに変換されて、
    再び坂道を駆け上がったり、
    カーブを曲がるときの高速運動の原動力
    となります。

    そして勢いよく坂道を駆け上がれば、
    運動エネルギーは減ってしまいますが、
    高いところに上がれば
    再び位置エネルギーが増えるので、
    ジェットコースターの勢いは止まりません。

    摩擦の全くない理想的なレールであれば、
    ジェットコースターは上ったり下ったりを
    繰り返しながら理論上
    永遠に走り続けることのできる
    究極のエコドライブなのです!
    とはいえ、実際には
    レールの摩擦を0にすることはできませんので、
    少しずつエネルギーは減っていき、
    ゴール地点でブレーキをかけて
    車両が停止すると
    スリル満点のひとときは終了
    というわけです。

    遊園地のバイキングも原理は同じです。
    最初に動き始めて最高点に移動するまでは
    動力を必要としますが、
    その後は位置エネルギー
    運動エネルギ―に変換しながら下っていき、
    高さが最低の地点まで来ると、
    運動エネルギーを原動力にして上がっていきます。
    このようにして、バイキングも
    ほぼ自ら蓄えたエネルギーだけで行ったり来たりを
    繰り返すことが出来るのです。

    というわけで、省エネが叫ばれる昨今ですが、
    物理は私たちにとって
    身近な遊園地でも役に立っているのです。
    どうぞ安心して(?)
    遊園地のジェットコースターをお楽しみください。

    津本

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